おしりから血がでた

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    トイレトイレで用を足した後、今日は快便かな?なんて便器をのぞいて見ることありますよね?その時、便器の水が真っ赤になっていたらどうでしょう?ビックリした!青ざめた!なんてことになるでしょう。またはすでにそんな経験はないでしょうか?おしりからの出血といっても、さまざまな原因があり、あなどれません。ここでは「おしりから血がでた」際の病気や、その特徴について説明いたします。また簡易的ですが、当院HP内「症状別肛門疾患」もご覧ください!

    おしりの病気なのか?大腸の病気なのか?

    不安初めて「おしりからの出血」に気付いた際、他に痛みなどの症状がなければ「自分は大腸がんになってしまったのか?」と思われるかもしれません。若い方は別として40代以上の年齢の方なら少しは頭をよぎるでしょう。痔から出血しているのと大腸から出血しているのでは大きな違いです。ちなみに大腸がんはがんの死因別では、「男性第3位、女性第1位」の疾患です。男性は罹患率では第1位です。つまり、一番身近な「がん」なわけです。

    大腸がん、直腸がんの特徴については当院HP内、「診療科目→胃腸科→大腸がん」をご参照ください。痔に比べ、大腸からの出血の場合、真っ赤なさらさらした血というよりかは、「少し赤黒い」「どろっとしている」「便に混ざっている」と表現されます。

    大腸からの出血が疑われる方は、大腸内視鏡検査によって確認するしかありません。

    いぼ痔かどうか?

    大腸からの出血ではなさそうなら、いぼ痔(内痔核)から出血しているかどうか?についてはどこで見極めればいいのか?出血と同時に脱出をともなっていればほぼ間違いないでしょう。ただ出血だけの症状の場合はどうでしょう?一般的にいぼ痔の出血は、「紙に付着<ポタポタ」、「どす黒い血<真っ赤な血」です。おしりは普段閉まっているので、排便後まで滲んでいれば直腸下部に溜まります。この血が次の排便時に、息んだとたん赤黒っぽくでることがあるので、注意してください。また特徴的な出血に「シャーっ」という出方があり、診断の参考になります。

    *例外もあります。潰瘍性大腸炎からの出血だったり、直腸がんでも肛門に近くなればなるほど、いぼ痔からの出血と似てくるので判断が難しくなります。またいぼ痔から出血している場合でも、同時に大腸がん、直腸がんからの出血が起こっている方もいます。つまり、いぼ痔から出血している場合、結局大腸からの出血を否定しないといけないのです。この場合も大腸内視鏡検査によって確認するしかありません。

    プロはどう診断しているのか?

    プロ(肛門科専門医)はどのように診察し出血の原因を判断しているか解説します。

    まず診察の手順として、肛門周囲に出血の原因となる病気がないか確認します。「視診」になります。ここで皮膚炎や外痔核からの出血、痔ろうがないかなど見ています。

    次に肛門内に指をいれます。「肛門指診」になります。ここで肛門と肛門縁から約7㎝程度までの直腸内を触れています。この段階で直腸がんが触れ、確定診断がつく場合もあります。肛門疾患では、いぼ痔、切れ痔、肛門ポリープを触れたり、おしりの拡がり具合や膿のたまりなどを指からの情報として得ています。指を抜いた際には、血液の付着を確認します。

    最後に「肛門鏡診察」です。肛門鏡を挿入して、直接目で確認します。まず血液の溜まりがないか?あればどんな色か?奥からか手前からか?出血の原因がいぼ痔でいいのか?切れ痔なのか?それとも他の病気なのか?などを判断します。いぼ痔があれば、出血していないか?出血した痕がないか?刺激して出血しないか?など確認しています。潰瘍性大腸炎の場合、この時点で直腸に特徴的な粘膜が観察されます。

    肛門診察だけでは不十分!

    問診実は、目と指先の感覚だけで全てがわかるものではありません。患者さんの痛がる部位や肛門診察をしながらの対話により、診断を深めて(絞って)いくのです。例えば、肛門に何も所見がないのに「出血する」なんて場合、掘り下げて聞けば、大腸がんではなく、急性の切れ痔と判断できることもあります。急性の切れ痔では診察時に既に傷が治っていることも多いのです。あるいは肛門内に異常なタダレを感じた場合「失礼ですが、おしりで性行為をしませんでしたか?」と促さないと患者さんも話してくれないこともあります。

    出血の原因となる病気とは?

    前置きが長くなりましたが、具体的に「おしりから血がでる」病気とその出血の特徴をご紹介します。代表的な病気を挙げています。

    1. いぼ痔(内痔核・外痔核)
    2. 切れ痔(裂肛)
    3. 直腸粘膜脱
    4. 潰瘍性大腸炎
    5. 大腸憩室出血
    6. 虚血性腸炎
    7. 大腸がん・直腸がん
    8. 肛門ポリープ
    9. 痔ろう
    10. 皮膚炎

     

    下記の赤字になっている病名をクリックすると、当院HP「診療科目→胃腸科」または「痔の日帰り手術NAVI」でも説明が見られます。

    内痔核

    内痔核真っ赤な血(鮮血)がポタポタたれることが多いです。排便後に便器が真っ赤に染まっていて気づく場合もあります。息んだ後も出血が続けば、直腸下部に血液が溜まり、次の排便時に息んだとたん「バーっ」と赤黒い血が噴射するようにでます。大きな痔になると息んだ時に痔に圧がかかるため、乳搾りみたいに「シャーっ」と勢いよく出ることがあります。

    外痔核

    外痔核違和感程度の外痔核(血栓性外痔核)だと気づかずに過ごされる方もいます。肛門の外にあるので歩くたびに擦れます。擦れ続けて、表面に穴があくと出血してしまいます。そうなると排便に関係なく常に出血が続きます。下着が真っ赤になったとあわてて外来受診される方が多いです。

    切れ痔切れ痔(裂肛)といえば、出血+痛みの代表です。「ピリっ」と痛みをともなう場合はすぐわかりますが、痛みもなく切れる場合もあります。切れ痔からの出血は、ほぼ例外なく真っ赤な血(鮮血)です。出血量はトイレットペーパーに付く程度からポタポタとたれるまでさまざまです。また出血のタイミングは排便途中からが多いです。「排便後に拭くと、紙に血が付着している」と表現する人のほとんどは、この切れ痔です。

    3直腸粘膜脱

    長年の息みすぎる習慣によって直腸を支えている靭帯がゆるむことによって、直腸粘膜がずり落ちてしまった状態です。肛門括約筋が弱った高齢者や息む時間が長い方に発症します。または肛門内へ異物を挿入したり、アナルセックスを繰り返しても起こってきます。直腸粘膜が擦られるため、潰瘍ができ、出血します。これを直腸粘膜脱症候群と言います。進展すると肛門の外まで直腸粘膜が脱出し、排便時以外にも出血して下着が血液で汚れるようになります。鮮血で、出血量は少量から中程度です。粘液が混じることもあります。特徴的な症状に折り重なった粘膜が便意となり、常にトイレにいきたい感覚が表れることがあります。

    直腸から大腸粘膜に炎症を起こす病気で、腹痛や血便、下痢が主な症状です。症状が排便時の出血だけの方も多いです。量はさまざまで、ポタポタとたれることも多いです。膿性粘液といって、特徴的な鼻水のような液体が混ざりますが、あまり気づかれません。病変は直腸から連続するため、痔の出血とも大腸がんの出血とも似ています。そのため肛門鏡を入れない限り判断できません。さらには自然に治癒しないため、病院へ行くまで出血が続きます。

    大腸憩室(結腸憩室)とは、長年、腸管内の圧を受けることによりできた大腸の壁の凹みで、構造上の変化です。大腸憩室を持っているだけでは病気ではありません。どなたにもできる可能性があり、年齢とともに大きさも数も増えていきます。この憩室内には、血管が含まれている上に壁が薄いため、何かの拍子に出血することがあります。血管が破れて出血するため大量にでます。そのため、下痢したように血液だけ排出されますし、かつ多量です。色は鮮血~赤黒いです。何度もトイレに通いますが、腹痛などは伴いません。

    「大腸の狭心症」とも言われる病気です。大腸粘膜を栄養する血管の流れが一時的に悪くなり、「虚血」状態に陥ると発症します。下剤を飲んで腸の蠕動運動が激しくなったり、脱水状態、便秘などが誘因となります。腸の粘膜は炎症を起こし、脱落し、出血します。S状結腸が好発部位になり、左下腹部痛を同時に起こします。血液は粘血便となります。やはり、何度もトイレに通い、量も多いです。色は鮮血~赤黒いです。

    ここでは大腸がんと直腸がんを分けて記載しました。

    大腸がん

    盲腸、上行・横行・下行・S状結腸にできたがんのことです。盲腸、上行結腸あたりのがんだと、まだ便が固まっていない段階で血が混ざるため、便そのものの色が赤黒くなります。それより肛門側にできたがんだと、部分的に便の中まで血が混ざっていたり、少し赤黒い色の血液になります。S状結腸くらいにできた場合では、出血量が多いと鮮血に近い色になります。便のまわりに付着する場合もあります。大腸カメラで診断をつけます。

    直腸がん

    肛門に近いため、鮮血ででることが多いです。そのため、いぼ痔からの出血との区別が難しい場合があります。排便のたびにポタポタたれます。すでに進行がんまで進んでいることも多く、便が細い、下痢と便秘を繰り返すなど、他の症状を併発していることもよくあります。前述のように、肛門指診を行った際に硬い腫瘤として触れ、診断がつくこともあります。

    8肛門ポリープ

    めったなことでは出血を起こしません。大きくなってくるとポリープの根元が裂け、出血してくることがあります。その場合、ほとんどが脱出の症状も同時に認めています。出血は鮮血で、少量です。通常痛みを伴います。いぼ痔(内痔核)と思われる方が多く、医者でもそう思う人がたくさんいます…。

    痔ろう肛門の外にできた二次口が破れた際に出血することがあります。性状はドロッとした血膿としてでます。量は少量なことが多く、排便に関係なく常時でてきます。下着が汚れていることで、気づくことも多いです。

    10皮膚炎

    掻きすぎ、拭きすぎ、擦りすぎの結果、肛門周囲がタダレて出血することがあります。ほとんどの場合、擦りすぎなど本人が原因を自覚しています。かゆみをともなうことも多いです。血液は紙や下着に付く程度で少量です。

    Q&A

    排便時によく拭いたのに、下着に血液が付くのはどうしてですか?

    A.おしりは肛門括約筋によって閉められています。しかし、その括約筋が及ばない肛門の外まで達する切れ痔の方がいます。そういった場合には、排便が終わって身仕度した後や歩行後にまた出血して、下着に血が付くのです。

    血液混じりの下痢が出ます。もう一か月続いています。原因は何ですか?

    A.発症早期であれば、まず急性胃腸炎が考えられます。ただ単に、頻回の下痢により切れ痔になって血が混ざっていることもあります。今回のケースでは、1か月も続く下痢、血便です。潰瘍性大腸炎が最も疑われますが、まれに腸アメーバ症の場合があります。肛門鏡を除いても原因がわからない時に大腸内視鏡検査まで行って初めて診断がつく病気です。

    便に筋のように血液が付いています。切れ痔ですか?

    A.切れ痔の可能性が高いです。排便時に痛みを伴うようであれば、尚更です。他の疾患としては、肛門のすぐ上にできた直腸のポリープなどが便の通過によって刺激されて出血する場合もあり、線状に血液が付着することがあります。まれです。

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